スー族・シャイアン族の文化と歴史
大平原の覇者スー族とシャイアン族
Part5 平原インディアンの伝達術2〜その他

襲撃の合図・愛の告白・手話によるコミュニケーション

鏡の反射による襲撃の合図

これも西部劇ではインディアンの戦闘部隊の襲撃の合図で 有名だと思う。
私が印象に残る「チカッ、チカッ」は、前述の「駅馬車」でも そういったシーンは、あったけど、1956年製作の例によって ジョン・フォード監督と我らがヒーロー、ジョン・ウェインの黄金 コンビによる「捜索者」は震える程の緊張感がある。
主人公イーサン(ジョン・ウェイン)達が家畜荒らしのインディ アン(ナイヤキ・コマンチ)を追跡して男達が留守にしている 隙に残っていた開拓者一家(ジョン・ウェインの兄の一家)を 、コマンチ族が、「さあ、これから襲撃が始まるぞ!」って シーンに固唾を飲む。
本当に恐ろしい「チカッチカッ」だった。
鏡による通信手段で伝達したい相手に向かって鏡を太陽を反射 させて相手がそれに気付けば、合図を返し、通信が始まる。
モールス信号ほど複雑ではないけれど例えば一度反射させた ら「獲物が見つかった。」。
二度反射させたら「敵を見つけた。」。 色々な組合わせで二度短い間隔で反射させ、その後長く反射 させていたら、「助けてくれ」とかである。
映画のシーンでも規則的に反射させていたかもしれない。
ジョン・フォードは、かなりインディアンを研究していたらしく、 もしかしたら、アパッチ族やコマンチ族の襲撃シーンも本当の合 図の規則を研究して演出していたかもしれない。

インディアンフルート〜愛の告白
インディアンフルートは、北米インディアンの音楽の中でも広く 親しまれている。 スー族の伝説では、フルートを最初に作った若者は、キツツキ の精霊から教わったといわれてる。

彼の奏でるフルートには女性を惹き付ける魔力があり、それ を知ったほかの若者が彼を真似てフルートを作り出したという。
恋する男は、部族のメディシンマン(まじない師)に頼んで魔力 のあるフルートを作ってもらう。
そして夜、人々が寝静まった頃、娘の眠るティピーの傍で 「ピーヒャラ、ピーヒャラ」奏でる。
男の吹く音色が気に入った娘は、ティピーから抜け出しデート を楽しむ様になる。
昔のシャイアン族の恋愛成就の為の告白は、とても けな気だった。

シャイアン族だけでなくスー族でも使われいた方法で、 娘に惚れた男は、娘のティピーの近くで待ち伏せする。 頭のてっぺんから爪先まで毛布に包まった格好で立ち 尽くし娘が出てくるのをじっと待つ。
娘が薪集めや水汲みの行き帰りに男の傍を通りかかっ たらチャンス到来。
娘の隣に素早く歩み寄ると、腕をパっと広げて彼女を 「ムギュ〜」っと抱きしめる。
そして毛布の中に抱き入れてしまう。
そして彼女を抱きしめながらコクるわけ。
娘が「ごめんなさい」だったら男を振りきって逃げる。
そうなると男は、すごすごと帰るしかない(汗) 逆に娘が耳を貸してくれたらチャンス。男は語り続ける。
一時間でも二時間でも、もっと長く語り続ける事もある。
ところがティピーからなかなか出てこない娘を4時間でも 5時間でも平気で待つ男もいる。
今の日本ならストーカー防止条例にひっかかりそうである。(汗)


★手話によるコミュニケーション
●手話による他部族とのコミュニケーション
インディアンには、部族の数と同じか、それ以上に言語(部族語) が存在する。
言葉の問題は平原インディアンの中で特に多かった。
他の地域から馬を手に入れて移動するようになったりすると、 引越しした先は当然他民族のテリトリーなので、例え地域が 隣同士になっていても、もともと違う部族語なので通じない って事もあった。
それを解決する為にインディアン達は、洗練された手話を もっていた。
インディアンの手話は、とても写実的で初めて遭遇する部族間 でも意味が理解できるようだった。
その殆どは、右手だけを使う手話だった。
とてもシンプルで同義語は使わない。
例えば、「質問する」は、 「聞く」「尋ねる」「尋問する」といったいろんなニュアンスがあ るけれど、手話においては、どれも同じサインだった。
語彙は少ないけれど基本的な語彙の組み合わせで複雑な概念や抽象的 な描写をも伝えられた。
「心」と「知る」のサインの組合わせで「記憶する」といった 意味を表すように。
Ads by TOK2