スー族・シャイアン族の文化と歴史
大平原の覇者スー族とシャイアン族 Part1

生活習慣
住居〜ティピー
住居〜ティピー

どこの世界でも生活の基本といえば、衣食住である。
移動の多い平原インディアンの場合には、これに運搬が加わる。
彼等は、これら生活の基本のそれぞれに適した文化を発展させた。
それは、手に入れる事の出来る資源を巧みに利用したもので、生活の場である大平原の自然環境にピッタリと合うものだった。 それは、例えば、ティピーと呼ばれる円錐形のテントが平原インディアンの伝統的な住まいだという事は多くの人が知っているだろう。 しかし、ティピーが彼等の生活にどれほど適したモノかという事までは誰も考えないだろう。
まず、ティピーは、持ち運びが出来る。
これは、移動の多い生活には、欠かせない条件だ。
ティピー支柱には、ロッキー山脈に生えるある種の松から作られる。
その松は、丈が高くて細長く、てっぺんには、枝葉が茂るけれども、幹の途中には枝が殆ど生えていない。
まさに、ティピーの支柱用にうってつけの木である。
この種は、今もかつての用途をその名に留めロッジボール松と呼ばれている。(ティピーの支柱松の意味) 平原インディアンの村は定期的に山嶺に移動してこの木を集めた。  ティピーの覆いは、伝統的には野牛の皮で作ったが、鹿や羊の皮を使う事もあった。
野牛の皮は、とても丈夫であるが、同時に重い。
交易商から帆布が入手できる様になると、野牛の皮よりも軽い代用として重宝がられた。 その為、野牛がいなくなる以前からティピーの多くは帆布で作れれる様になった。
ティピーの形は、円錐形をしている為、雪や雨はたちまち流れ落ちてしまう。斜面が急なので粘着力のある重雪も付着しない。 次に円錐形は、風を受け流す形なので、大平原に吹き荒れる暴風にも倒れる事はない。 そして、ティピーの形はテント内の中央で火を炊くのに適している。
煙突などは、無くても煙は、自然に天穴から流れていくし、正面に付けられた煙出し幕を調整すればより効果的に排煙する事が出来る。 ティピーに付随する装備には、時に贅沢とまで呼ばれる程の立派なモノがあった。
地球の反対側に住むベドィン族と同じ様に平原インディアンの中でも裕福な人々は、移動式のマイホームを居心地良くする術を知っていたのである。 テント内に張り巡らせた内張り幕は、外幕との間に空気を蓄え、断熱効果を生み出した。
同時に戦や狩猟の光景を美しく描き出した内張り幕には室内に彩りを添える効果もあった。
野牛の皮の中でも特に手足が長くしかもフカフカ柔らかな冬毛のモノを選んで床に敷き、暖かな肌触りも良い絨毯とした。
ティピーの外側には裾に沿って雪を積み裾からの隙間風を防いだ。
食料と薪さえ不足しなければ、シャイアンとスーの部族は快適に冬を越す事が出来たのである。
しかし、その安楽な生活は、何枚もの皮革や毛皮をほぐし、形を切り整え腱を糸代わりに使って縫い合わせるという延々と続く肉体労働によって得られたモノであった。

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