海洋インディアンの文化と歴史
独特の文化:呪いと芸術〜ポトラッチ〜


カナダ西部にあるツィムシアン族のトーテム・ポール。
元々は、小さな木のトーテム像を家の中に側柱として 立てていたがやがて大きなトーテム・ポールになって、 中には30メートルにも達するようになった。


シャーマン、すなわちまじない師も、この地域のインディアンの生活 に大きな役割をしめていて、精霊によって与えられた魔力で病治す 事もその仕事の一つだった。

また、サンダーバード(昔から非常に崇められていたて胸に第二の 顔を持つ姿を彫った
形)が多く残っている。この鳥が飛ぶと翼で雷鳴を呼び起こすとさ れていた。

北西太平洋岸地域では、衣服をつくる材料にも恵まれていたにも かかわらず、殆どの人が裸同然の格好ですごしていた。
女たちは、木の皮でつくった短いスカートを履いていた
男たちは、暖かい季節には、全く何も身付けない事が多かった。
また、モカシンの作り方も知っていたが、冬も大抵裸足で歩きまわ
っていた。
この地域の物質文化は、ポトラッチ制度によって、かつてなかった ほどに高められた。
そして、文字どおり全ての物に、トーテム像の飾りが施され船には 「オター・マン(カワウソ人間」のような船首像がつけられドアや柱、小物箱、 ゆりかご、おわんやスプーン、儀式用具などには 美しい彫刻や彩色が施され、 アワビの貝がらや銅などがハメこまれているものも多数あった。
こうした工芸品や道具類の主な材料は木で、ほぞ継ぎの技術から 蒸気のこもった箱に入れて形を整えたりする事まで、木の細工に 関しては知りっくしていた。
堂々としたトーテム・ポールはよく知られているが、高さ30メートル に達する大きなものもあった。
こうした、鮮やかな色をつけたヒマラヤスギの柱には、持ち主の 紋章と氏族のーテム像とが彫りこまれていた。
トトーテム・ポールをつくるために、時には高さ60メートルものエン ピッビャクシンの木が切り倒されることがあったが、白人が鉄の 斧を持ち込む前には、巧妙な方法を使って大きな木を倒していた。

まず、堅い木の槌と石斧で木の風上側に穴をあけ、その穴の中で 火をたく。
すると、風が火を煽り、やがて幹の内部が焼けて木が 倒れるのである。
車輪を使う事を知らなかったインディアンたち(知っていた部族も いたけれど、 子供の玩具に使っていただけだった)にとっては、この巨大な木を村まで運ぶのも、大変な力仕事だった にちがいない。
家族や氏族、部族などの儀式で被る頭飾りと面も、トーテム・ポール と同様に意味を持っていた。
これらの面を被る事は、その集団の生活にいつも影響を与えている数々の 秘密結杜(シータレツト・ソサエティ)に属している事の印だった。
こうしたシークレット・ソサエティに入会する儀式は、肉体的にも精神 的にも非常に忍耐カを必要とする、複雑な試練だったので、この試練を うけようとするのは、大抵が豊かな家の若い息子だった。

この地域のインディァンが豊かに暮せたのは、季節ごとの自然の恵みがbr> に余った物(特に大量のサケ)を冬までとっておいたからでもあった。
1年分の食糧を確保するには、4〜5ヵ月も働けぱ十分だった。
したがって、冬は、宗教儀式やポトラッチをおこなったり、美しい
工芸品をつくったりして過ごしいた。


死者の顔を表したトリンギット族のお面。
トリンギット族とその亜族であるチルカット族、 ツィムシアン族、ハイダ族は北西太平洋岸インディアンの 中では最も優れた工芸品を生み出している。

工芸品のつくりかたは、部族によってかなりちがっていた。
大きくわけると、ハイダ族、トリンギヅト族、ツィムシアン族など 北部の部族は、高度な技術を持っていたが、クワキウトル族 ベラ・クーラ族などの中部の部族の工芸品は、少し荒けずり なモノだった。ポトラッチで交換されていた貴重品の一つに チルカット・ブランケットがあった。
トリンギット族の支族であるチルカット族の名が付いた、この 高価なブランケットは、多くの部族間で使われている。

チリカット・ハイダ族は、その素晴らしい木の細工術を他の 素材にも応用して、粘板岩の彫刻を作る様になった。
この灰黒色の粘板岩からつくられた彫刻品は、クイーン シャーロット島にしか無く、需要が増えた為に、今では ひどく高価になっている。
この特殊な粘板岩は、切り出したばかりの時には、容易く 細工できるが、空気にさらしておくと非常に堅くなって磨けば 美しい光沢が出てくる。
この粘板岩の工芸品や彫像は、ハイダ族の社会では 実質的には何の意味ももたず、今日では単に商品として 作られている。
以前には、木と粘板岩の他に、カリブーの 角や銅(高価なものとされていた)などでも、道具や彫刻品をつくっていた。

粘板岩で作られたハイダ族のパイプ。 上のパイプは、白人の船乗りを表している。
中部の部族の工芸品では、数多くの色鮮やかな生き生きと したお面が有名である。
面は、眼の部分が、生きているように彩色してあって蝶番で 動くところが付いているので、まるで表情が変わる様に 感じられるらしい。
クワキウトル族の工芸品は、彫刻をほどこした頭飾りや、 戦士がかぶる木製のヘルメット、井草で編んだ円錐形 の帽子などがある。
ヌートカ族、チヌーク族、それにサリッシュ語を話す多くの 部族が住む南部の工芸品は、使われている色も少なく、 作り方も粗雑なモノが多い。
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