2000.4.15

函館、松前、恵山と南茅部温泉ツアー

<2000.4.15(土)>

「2時20分に函館空港まで迎えにきて!」

・・・なんという横暴なパートナーなのだろう。聞けば彼女の事情はこうである。仕事が12時まで札幌で、3時から上磯町で副業というのだ。上磯とは函館に隣接する町である。

結局片道のガソリン代だけで手を打つことになった。なんてお人好しな私なのだろう。片道300キロ以上という道のりである。崇高な使命に生きる私の2日を奪うと言うことが人類史上いったいどういう意味を持つのかまるで彼女はわかっていないらしい・・・前置きはいいからさっさと本題に入れって?・・・あ、どーもすみません(笑)

きっかけはどうあれ、彼女のために朝6時に起床して8時には朝靄の中をひとりハンドル握りしめ、函館までのドライブとなったのでした。最近自分の状態といえば、仕事がハードでストレスも絶好調。動悸はするし、ミョーな冷や汗はかくし・・・このままだとどうにかなるのではないか?そう思えてしまう程「自分じゃない」状態。本当に些細なことが本当にカチンとくる。すぐキレそうになる。ただでさえエゴイストになりがちな運転席では本当に荒い運転でひどいものだった。

自分でも最低なヤツになってるな・・・と認識しつつ、幅寄せするアクセルは踏み込んだまま、オレンジのラインだろーが遅い車抜きまくり・・・対向車が見えてるのに追い越しかけて・・・本当に自分はいつから走り屋になったんだ?だいたいこのおんぼろレビンもよく走ってくれるものだ。もう常に落ち着いていられない精神状態・・・人の命を簡単に踏みにじる車という乗り物。人の命の重さを考えればとてもそんな無謀な運転などできないはずなのに・・・。

長万部に入るころ、時計と相談しつつ二股ラヂウム温泉に浸かり落ち着きを取り戻そうとする。お湯に浸かっても自分で意識してテンションを下げてやらないとじっとしていられない。このままでは本当に精神病だな・・・露天風呂に出てみると、パーッとなんとも清清しい日差し、そして鳥の声。・・・人間社会では、ガスや電気のスイッチをONしなくては得られないはずの『お湯』がなぜか地下から、しかも不思議な成分をいくつも含み沸き上がってくる様は、本当に自然の脅威としかいいようがない。自分がちっぽけに思えた時、気持ちは少し落ち着いていた・・・が貧乏ゆすりを無理矢理やめたあとの筋肉のような、何かしていなければというあせりのような感覚は残っていた。

温泉を後にする。土曜日は北海道STVラジオは日高悟郎ショー番組が朝8〜夕5時までやっている。これを聞いていると結構おもしろく時間が過ぎ行く。八雲ではケンタッキーファームでチキン3ピースを食べ、有機栽培の麦茶を350円で飲みつつ昼飯に。そしてなんだかんだ言いながらも函館市内に。市内はなぜか非常に混雑しており、進みが遅かった。しかし温泉と、この解き放たれた環境に少しづつ順応してきた精神によってイライラも現象していた。函館空港についた時は午後2時14分。小雨混じりの空模様・・・まったく約束を守る男だよなぁ自分は(笑)

「ジェットコースター見たいだったよぅ!」と船酔い気味で出てくる彼女。なんでもプロペラ機は始めてらしい。私もはるか昔にグランドキャニオンをプロペラ機で飛んだことがあるが、まったく景色は素晴らしかったが、同時にそれどころではなかった。気持ち悪いなんて生易しいものではなく、その晩高熱を出して寝込んでしまったという情けない経験をも持つ(笑)彼女の大きめのバッグひとつをトランクにぶち込むと、上磯町へ向かう。この時既に時計は3時を廻ろうかと言う時間。しかし現地についた3時30分・・・ミュージカルの練習は4時からだという。まったくお前は何を聞いてるんだか・・(笑)というわけで、ミュージカルの伴奏という副業の為に遥か(?)函館まで飛んできた彼女4時からの練習のあと6時からは本番というわけである。なぜか練習会場にいたボンズの笑顔が眩しい(笑)・・・なんかわからない事をブツブツ言っていたわりにカメラをむけるとすかさずポーズをきめるボンズの写真

さて、彼女を送り届けた後は私の有意義な温泉タイムである。函館は谷地頭温泉だが、それは彼女も行きたいと言っているので明日にするとして・・・本場の松前漬けを求めに松前へ。

松前漬けでひいきにしている店は龍野屋という。ここのおじさんは何かとウンチクを垂れるのがお好きだが、しかしとても感じの良い方で、相当の誇り、信念をもちながら松前漬けを作りつづけておられる。かずのこ松前漬け、塩辛などを試食させていただきつつ、そろそろシーズン到来かと言う松前城の桜について話をする。ゴールデンウィーク期間は呆れるほど混雑するが、松前の真の魅力が開花するのはその後。日本No.1を誇る八重桜が開花するのは第二土曜日のあたり。この時期に松前を訪れるならそれは「忘れられない記憶」になるという。私の今年の5月13日の予定はこの瞬間決定したのだった。

この龍野屋だが、札幌は丸井、三越、西武などにも松前漬けを出しているそうだが、無添加モノをいただくにはここに実際赴くしかない。普通の松前漬けはご飯と共に頂くが、本当の松前漬けはそのまま酒のつまみとしていただくのが良いと言う。これは5月の松前花見ツアーにまた非常に大きな楽しみが加わった。

その後は松前温泉、知内温泉、亀山冷泉・・・と予定していたが、松前温泉からあがると一気に蓄積していた疲労がピークに。そのまま休憩室で爆眠。午後7時も過ぎ、帰りに予定していた亀山冷泉枕木山荘は午後8時に閉館・・・ちょうどその前を通りかかったのが午後7時56分・・・これではどうしようもない。しょうがなくちょっとミーハー温泉なのかな?とも思ったがビユウ温泉のとやというところの日帰り温泉を調査。こちらは平成元年に原油と天然ガスに混じって湧いた温泉で弱アルカリ性の塩化物泉。温泉もまあまあだが、薬湯が良かった。しかしもっとも残念だったのは浴室に入った瞬間に塩素臭があったこと。プールにきたわけではないのだからこの臭いは勘弁して欲しい。

午後9時に上磯のホールに迎えに行くと彼女もちょうど終わったところ。空気のコンディションも良かったので函館山に夜景を見に・・・行こうとしたが、観光道路は4/21までは冬期閉鎖だとか。まったく・・・こんなに空気が澄んでいる日だというのに。

元町で軽く教会群などを流し見しつつ、ビジネスホテルにチェックイン、改めて居酒屋に繰り出す・・が、やはりかなり疲労困憊していたのであっさり目に切り上げる。しかし店はなかなかの風情の店で、ビールがカキンコキンに冷えていたのがとても美味しかった

<2000.4.16(日)>

太陽輝く朝!まず朝一番目は谷地頭温泉でリラックス。まったく朝風呂は贅沢な気分。そしてラッキーピエロという函館の有名ハンバーガーショップでなぜかカレーを食べる。美味しいカレーだったが、朝からちょっとヘヴィーな濃厚テイストであった。

それから向かったのは恵山。函館からみると右の端っこである。途中「本州と一番近い地点」などを通り、女那川という場所から恵山を望む。好天でくっきりと恵山がみえている。・・・そして辿り着いたところはツヅジの名所・・・しかし今の季節は花などまったく咲いておらず、ただのボウズ山。なんの変哲もない漁村を通り過ぎてゆくと、かつて世界一勘違いしている観光施設「モンテローザ」が黄金の寝観音像とともにあったのだが、今では倒産して観音様だけが、恵山のふもとに横たわっていらっしゃる。なんとも不思議な光景であった。しかもこの施設・・・大自然の中に西洋の城のような巨大な門が入り口になっており、まったくもって良くわからない。どういうセンスなのだろう・・・その回答としての現在の姿なのだろうとは思うが。

恵山のふもとには無料露天風呂が2箇所存在していて、どちらもとてもオススメ!地元の漁師が主に利用するが、ここはせっかくだからとさっそく偵察・・・・そして誰も居ないとわかった次の瞬間、私は全裸だった!。う〜む何泉なのかちょっと泉質表示がないのでわからないが、経験的には土類塩化物泉といったところか?分類上は単純泉だが、じつはとても効能が高いというような感じだった。ここに住みたい!(笑)・・・本当に、短い間だったが大変気持ちよかった

その他に恵山温泉というところがあり、矢印に従って進んでいくと、なんともまた勘違い甚だしい真っ赤な屋根。外国人は日本のお土産に着物を買い、ガウンとして羽織ったり、仏具店に行って位牌を買い、何に使うのかと思えばパーティーのメニュー書きにテーブルに立てて使用すると言う。全く異国の文化を過って解釈すると恐ろしいことになるらしい。この建物にもそういった一端が見えかくれしている・・・まぁ、温泉は建物ではない。泉質である。泉質こそすべて(でもない時もあるけどさっ^^;)である・・・。こちらは酸性泉。なめてみるととても酸っぱい。私は思わず川湯温泉、玉川温泉、そして草津温泉などを思い出してしまった。こんな辺境の地で名湯に遭遇するとは!・・・しかし源泉がぬるいため、管理人ともども名湯などとはこれっぽっちも思っていないらしい。宿泊客なんてここ何ヶ月も居ないよ〜って言われそうな感じの散らかった玄関口。「町営温泉の方が塩気がある熱い温泉だからいいよ〜!」なんて言われてしまった(笑)。こんな名湯を携えておきながら、ありふれた食塩泉を勧めるとは何事ですか!もっと自信を持ってください!と言ってあげたかった(笑)しかし、客がまったく来ないおかげで「誰も居ないから一緒に入ったら?」などと勧められ、風呂場は完全に貸し切り状態。名湯として名を馳せてしまえばこうは行くまいて。ココは本当に隠れた名湯ですよ。酸性泉の良さを理解できるあなたへ。

なんか温泉に入った話ばかりで、読んでいる方は何も楽しくないだろうなぁと想像しつつ・・・(笑)でも本当にこの日は温泉三昧・・・天気もポカポカ陽気で彼女は助手席で睡眠三昧。金欠気味に郵便局を発見して財布を補充しつつ、途中に見える名もなき(?)滝なども結構美しかったり。

谷地頭温泉
御崎海浜温泉浜の湯(無料露天)
恵山温泉
水無海浜温泉露天風呂(無料露天)
南茅部町民保養センター
鹿部温泉(足の湯)

恵山の半島を逆からまわると椴法華村(さて何と読むでしょう?)を通って到達できる水無海浜温泉は最近ではすっかり有名になってしまった無料露天風呂。しかし汐の満ち引きによっては海中に埋没することもあるという温泉で、私も入ろうと思ったのですが波がザブザブと浴槽に侵入していてぬるくて入れたものでは有りませんでした(笑)

しかしなんといっても特筆すべきは、南茅部町町民保養センター・・・なんと乳白色の硫黄泉!温泉の王様!だと私は思っている・・・もう、登別にも匹敵するような素晴らしい硫黄泉が、なんとこの南茅部町でお目にかかれようとは。本当に素晴らしい硫黄泉は乳白色というよりは乳薄青色と言う感じで、なにかとても神秘的な気分になる。肌があまり強くないクセに、この硫黄臭が大好きな私は、もったいないからとあがる時も流さないので、案の定帰り道では肌がいろいろとカユくなる・・・まったくアホやなぁ〜と思うけど、これを書いている今など手は本当にツルツルなんです。ま、温泉ばかりイロイロ入ったので、どこの温泉の効力なんだかさっぱりですが(笑)

鹿部ではそれなりに有名な間欠泉を見学。10分に一度10数メートルの高さまで吹きあがる間欠泉も、強風の為天井の方には高さ抑制装置(?)のような傘が着けられていましてちょっと残念でしたが、それでも凄い勢いで吹きあがる熱湯は一見の価値アリです。施設には足の湯という、足だけ浸かる温泉も用意されており、足を温めながら間欠泉を楽しむこともできます。彼女はすっかりこの足湯にハマってしまい、玉砂利をつかって足の裏マッサージを楽しんでおりました。そしてやっと遅めの昼飯。鹿部の太田食堂というところに入ります。入っても誰もいないので「これ幸い(?)」とテレビを掛けて皐月賞の中継を見る。私はチャーハンで彼女は鉄火巻。チャーハンは奥さんが作って、ソレが出来上がってから寿司職人のオヤジを呼びに行く。おかげで私が殆ど食べ終わる頃に料理が出揃う。はは〜ん、きっとオヤジも皐月賞、中で見てたな?・・・そして食べ終わったのが午後4時。

森町あたりからは、内浦湾を挟んで有珠山から立ち上る噴煙を見ることが出来ました。(写真だとわかりづらい^^;)やはり海の向こうからでもしっかりと2本の立ち上る煙りが見え、すごいスケールだなぁと痛感。帰り道には洞爺湖のすぐ近くを通り、一瞬とはいえ、テレビ中継と同じあの情景を見ることが・・・・出来たのは彼女だけでした(爆)・・・まったくドライバーっていうのはソンだよなぁ・・・(笑)

結局その後札幌に到着したのは午後8時でした。意外にスムーズに帰宅することができて、私の実家で夕御飯を食べ、自宅に着いたのは10時過ぎ。この時間ならば余った時間も有効に・・・と思ったんですが、やはり疲労は相当蓄積されており、10時から0時30分くらいまで死んだように爆睡してしまったのでした。

ま、肉体疲労は凄かったにせよ、精神疲労がスッキリ取れたのは本当に良かった。月曜からまた新たな気分で仕事に向かうことが出来そうです。今度は温泉チェックシートなるものを製作して、温泉からあがったらマメにチェックする習慣をつけたいと思います(笑)・・・温泉道の基本ですな。


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