本文へスキップ

国防に携わるすべての方々に敬礼!

  Military Powers 90式戦車

陸上自衛隊 90式戦車 第7機甲師団 

90式戦車Index 第7機甲師団 90式戦車解体新書 90式戦車戦闘 第2師団第2戦車連隊 
第5旅団第5戦車隊 第11旅団第11戦車大隊  

 90式戦車 Type 90 Tank
 略称: 90TK   愛称: キュウマル
  • 74式戦車の後継として主に北海道の戦車部隊に装備している。
  • 90式戦車は、機動打撃力の骨幹として、戦車、装甲車その他の地上目標の撃破に使用する。
  • 90式戦車は、120mm戦車砲(滑空砲)、12.7mm重機関銃、120mm戦車砲と同軸の車載7.62mm機関銃などを装置した砲塔を、車体の上面に載せた装甲装軌車である。
  • 乗員は、車長、砲手及び操縦手の3人である。
  • 砲塔及び車体は、腰部に特殊装甲を組み込んだ防弾鋼板、特殊鋼板などの溶接構造である。
  • 操縦は、操縦手席周辺に配置された機関操作部、変速操向機操作部、各種スイッチなどによって容易に行われ、動力は、車体後部に搭載された連結一体型の機関・変速操向機から、終減速機を経て車体後方の起動輪に伝達され、履帯を駆動する。また、車高の変換は、操縦手席、車体傾斜の変換は、操縦手席及び車長席からの操作によって下部転輪装置の油量を制御して行われる。
  • 射撃は、砲手席及び車長席の周辺に配置された、熱線映像装置をはじめとする照準装置、砲駆動装置、射撃統制計算機、弾道諸元センサなどの射撃統制システムによって昼夜間とも迅速かつ精密に行うことができるとともに走行間射撃が可能である。また、120mm戦車砲は、戦車の動揺にかかわらず、方向及び高低ともに安定が保たれ、弾薬は、自動装填装置によって装填できる。
  • 通信は、砲頭部に車両無線機、車内通話装置などを装着し、無線通信及び車内・外通話ができる。
  • 操縦用暗視装置は、車体前部に装着し、夜間の走行に使用する。
  • 90式戦車は、車両保安の他、射撃及び走行に伴う乗員の安全性ならびに居住性が確保されている。
  • その他、レーザ検知装置、同装置に連動して発射可能な発射発煙装置、特殊武器防護装置、暖房装置などを有する他、潜水渡渉装置を取り付けることによって潜水渡渉が可能である。また、車体側面にサイドスカートを装着することができる。
  • 90式戦車は、車体の一部を改造して、排土装置、油圧装置からなるドーザ装置を装着することができる。
  • 90式戦車は、地雷原処理ローラ及び地雷原処理ローラ取り付け時の付加装置を取り付ける改造により、制式R3603による地雷原処理ローラを装着することができる(ドーザ装置装着車両を除く)
  • 昭和57年度(1982)~第1次試作(その1):砲、弾薬、自動装填装置等の試作。
  • 昭和58年度(1983)~ 技術試験:機動性能、火力性能、防護性能、通信性能等の試験(試作車両2両併せて11,000km走行試験/1,220発の射撃試験を実施)。
  • 昭和58年度(1983)~第1次試作(その2):試作1号車と弾薬の試作。
  • 昭和59年度(1984)~第1次試作(その3):試作2号車と弾薬の試作。(三菱重工、日本製鋼所、ダイキン工業、小松製作所)
  • 昭和61年度(1986)~第2次試作:第2次試作として4両が試作。砲はラインメタル社製を採用。
  • 昭和62年度(1987)~技術試験:火力性能、機動性能、防護性能、通信性能等の試試験。(試作車4両併せて約20,500km走行試験/約3,100発の射撃試験)
  • 昭和63年度(1988)~実用試験:平成元年2月~9月まで実施。
  • 平成2年(1990)8月に「90式戦車」として制式化された。陸上自衛隊第3世代のMBT(Main Battle Tank)である。
    車体と火砲を含めて1両約7億2500万円(平成17年度調達実績)の日本で最新式の戦車(とはいうものの今となっては制式採用からずいぶん年月が経過している)。
  • 横風、砲耳傾斜、装薬温度等のデータを処理できる弾道計算機を採用し高命中精度、パッシブ方式の赤外線暗視装置の採用による目標自動追尾及び夜間射撃能力、砲安定装置の採用による走行間射撃、高度な油圧技術を取り入れた自動変速走行装置及び懸架装置の採用による複雑な地形の走破能力、複合装甲の採用による高防護力、自動装填装置の採用による3名乗員化の実現などが特徴である。
  • FCS(射撃統制装置)によって砲弾の種類、外気温、風向等10種類以上のデータをコンピュータ解析して射撃。
    現代戦では、仮想敵も同程度の装備を有していると考えると初弾命中、撃破が絶対条件となるため、射撃時の目標の自動追尾、弾道計算の射撃統制システムや照準制御システムなどによる目標の自動追尾と正確な射撃は必須である。
  • 自動装填装置が採用されたことで、装填手がいなため車長・砲手・装填手の3名となった。しかし、このことについては賛否が分かれている。米軍戦車ははあえて自動化せず、装填手を乗車させることにより、メンテナンスや戦時の周辺警戒など乗員4名を維持することで、戦時におけるさまざまな負担を軽くすることを考えている。しかし、一番大きな理由は、戦時における装填不良を避けたいということのようだ。装填を自動化すると、戦時には油圧系・電気系・機械系などさまざまなトラブルや予期せぬことが起こる。その時点で戦える状況ではなくなり、敵にとっては格好のターゲットと化す。これは実戦経験を積んだ米軍の言い分として説得力がある。90式も初期には装填不良が多かったといわれているが自動化のメリットも多い。しかし、装填時の何らかのトラブルによっていざというときに射撃できず、撃破するチャンスを逸し、反撃されたらと考えると装填手の存在があった方がいいのか、自動装填装置でいいのか見解が分かれるところである。
    ※近代化の盲点として、ハイテクや電子化に集中するとハイテクに泣くことになるから適度にローテク(&機械式)でも使える仕様は必要だという考え方もある。
  • 機動性について短距離(0~100m程度)のダッシュでは、74式の方に分がある。しかも90式戦車はスピードの伸びはよいが、最初の出足がワンテンポ遅れる。戦闘操縦のように瞬発力が必要なときは停車時にブレーキを踏みながらアクセルも踏み込み、エンジンの回転数を上げておいて発進しなければよいスタートがきれない。
  • 制動についてはブレーキ性能がとてつもなく高い。50tもある鉄の塊を止めるため、それ相応の性能を持っている。そのため操縦手が不用意にブレーキを踏み込むと砲塔上の車長や砲手がかなり痛い思いをする。90式戦車の配備当初は胸部打撲をした車長がけっこういたため90式戦車の急制動は「殺人ブレーキ」と呼ばた。基地祭等での戦車試乗時は、お客さんが不用意に投げ出されないように操縦手は細心の注意を払ってブレーキを踏んでいる。
    ※ウィキペディア「90式戦車」の制動についての表記の中に上記表現に似た記述が見られるが、この表記は当サイトが開設当初(2000年)より表記している。出展は90式が配備された当時のクルーからの意見であり、当サイトが初めてネット上に表記したオリジナル所見である。
  • レーザ検知装置に連動して発射可能な発射発煙装置、特殊武器防護装置、暖房装置などを有する。
  • 潜水渡渉装置を取り付けることによって潜水渡渉が可能。
  • 車体の一部を改造して排土装置、油圧装置などからなるドーザ装置を装着することができる。

 諸元等
全長  9,755mm 全高  2,335mm(標準姿勢)
全幅  3,330mm 全備重量  空車質量:48.8t 積載質量:50.2t
軌間距離  2,710mm 最低地上高  450+170・-255mm(標準指定±可変量)
履帯幅  620mm 接地長  4,550mm
登坂力  tanθ60% 最高速度  約70km/h
射界 方向:360° 高低:-7~+10°  動力制御 旋回最大速度:30°/秒(ハンドル制御時)
車体傾斜:±5°(前後) ふ仰最大速度:4°/秒(ハンドル制御時)
安定制御 安定精度:旋回2ミル ふ仰2ミル
超壕幅  2.7m 渡渉水深  1m(渡渉具2m)
行動距離  約350km 装甲  複合装甲(セラミックス等)
エンジン出力  1,500ps / 2,400rpm 乗員  3名
エンジン  三菱:三菱10ZG32WT 水冷2サイクルV型10気筒ディーゼルエンジン
懸架方式  トーションバー・油気圧 ハイブリッド式
製造  砲塔・車体:三菱重工  砲:日本製鋼所
弾薬1
  • 戦車砲:ラインメタル社の44口径120mm滑腔砲 Rh120×1
  • 射撃:砲手席及び車長席周辺の熱線映像装置等の照準装置・砲駆動装置、射撃統制計算機、弾道諸元センサなどの射撃統制システムによって昼夜間とも迅速かつ精密に行うことができる。走行間射撃も可能。
    120mm滑腔砲は、戦車の動揺にかかわらず、方向及び高低ともに安定が保たれるようになっている。また、弾薬は自動装填装置によって装填するため装填手がいない。
    射界:360度
  • 手前:120mm TKG JM12A1対戦車りゅう弾/奥:120mmTKG JM33装弾筒付翼安定徹甲弾
弾薬2 
  • APFSDS(120mmTKG JM33装弾筒付翼安定徹甲弾)
    APFSDS JM33 装弾筒付翼安定徹甲弾
    重量:約19kg
    用途:対装甲目標用
    性能:装甲を貫徹し、その衝撃で弾心が溶解する砲弾。貫徹時に内部が飛散するため、破片効果が得られる。
弾薬3 
  • HEAT-MP(120mm TKG JM12A1対戦車りゅう弾)
    HEAT-MP JM12A1 多目的対戦車用榴弾
    重量:23kg
    用途:多目的
    性能:命中すると溶けた金属のジョットガスが砲塔内部に吹き出(モンロー効果)し、乗員の殺傷や砲弾を誘爆させる。
    HEAT弾は「110mm個人携帯対戦車弾」「01式軽対戦車誘導弾」「84mm無反動砲カールグスタフ」などで対戦車火器としても使用される。
重機関銃
  • 12.7mm重機関銃×1 弾薬搭載数:約600発
同軸機銃
  • 7.62mm機関銃×1 弾薬搭載数:約4,500発