(2013年12月議会参考資料一部より)

 

1. 子ども実年齢見合っていない早期老化  

2.若年性白内障歯と口の異常血液,リンパ,心臓,

消化器, 泌尿器および皮膚の疾患

   3.染色体異常細胞率は精神病理学的症
   状
を患う人に高く,染色分体異常
   細胞率は
無力症強迫恐怖症候群を患
   う人に高い

  染色体切断率は,甲状腺機能低下や,
   奇形と相関がある


染色体切断
  率は,新生児における免疫制御系失調の発生
  率と符合する。

先天性奇形の発
  生率は,汚染値が15 Ci/km^[=55万5,000 Bq/
  m^]以上の地域で高い

染色体異常数,小核数,および点突然変異
  の率は,甲状腺がんを患う子どもにおい
  て高い

汚染地域に住む人は,腫瘍細胞ばか
  りでなく「正常な」組織でも染色体異常細胞
 率が高い。

精子の構造異常の発生率と,染色体異常の
  発生頻度には相関がある
。 ゲノム構成における変化が,チェルノブイリ大惨事の最初
の危険な兆候だったことだ。数々の変化が放射線
の放出後数日のあいだに起こり,さまざまな疾患
の発生率を上昇させた。

  広島や長崎で放出され
たものより遺伝学的にはるかに危険である。なぜ
なら,チェルノブイリのメルトダウンで放出され
た放射性核種は量において数百倍も膨大で,種類
も多いからだ。


 遺伝的影響は何億人に
も及ぶ。曝された人びとストロンチウム90[Sr-90]やセシウム137は放射線量が環境放射線の値にまで下がるのに少なくとも300年を要するところ,
プルトニウムやアメリシウム[Am]は,そのきわめて危険な放射能が完全に減衰するのに1,000年単位の時間を要する。被曝した親から子へと7世代にもまたがる人びと
内分泌系の
  甲状腺は,成人では体内に入
った放射性ヨウ素全量の最大40%を,子どもで
は最大70%を集積する。また,脳下垂体はヨウ素を通常の非
放射性ヨウ素の5倍から12倍の水準で能動的に
取り込む。内分
泌系のこれら2つの重要な構成器官が,事
故後から数週間の「ヨウ素期」に放射
線に曝露した。

 あらゆる生
理機能は複合的な機能を司る内分泌器(膵臓,副
甲状腺,甲状腺,副腎,卵巣,精巣)に依存して
おり
  身体および知能の正常な発達には
甲状腺が適
切かつ適時に働く必要がある。
胎児や新生児が甲
状腺に損傷を負うと,
知的能力が抑えられたまま
一生を送ることになる
かもしれない。

   4.急速な変化見舞われた結核菌肝炎ウイルスヘルペスウイルス

タバコモザイクウイルス,サイトメガロウイルスおよび土壌細菌

,さまざまな場面で活発になった微生物個体群の病原性が強まった   

5.265集落(都市および村落)における40万人の子どもの測定
   結果が掲載されている。

 各集落における測定結果の分析には,共通する社会的・人口動態的データセシウム
  
137の内部被曝検査が実施された全日程,検査した子ども全員とリスク群に分類された子
   どもにおけるセシウム137の比放射能の平均値と最高値,子ども全員とリスク群の中央
   値,観察期間ごとの蓄積量の分布を示すグラフなどが
含まれる。この分析でリスク群に分
   類されているのは,比放射能がもっとも高かった都市部の学童30人と農村部の学童15
   人である。  多くの集落における測定は数年にわたり, また定期的に実施されたため,セシウム137
の内部被曝量の変化を追跡できており,蓄積量と季節,年齢,性別などとの関係が明らかになっている。

   6.安全を確保するもっとも簡単 な方法は,食物に取りまれた放射性核種をモニ タリングすること。ベラルーシの多くの場所で,
体内に取り込んだガンマ線放出核種の量を ホールボディカウンターによって測定した結果を 分析するとともに地元産の食物を対象に放射能 モニタリングを行ったところ,セシウム137に よる食物の汚染と,人間が体内に取り込む放射性核種の量とのあいだに高い相関が見られること, とりわけ子どもたちにそれがいえることが明らか
になっている。子どもと成人の食事内容が同じ場合,子どもは体重が軽く,また新陳代謝が活発なので,地元産の食材から受ける集積線量は成人の5倍に達する。農村に暮らす子どもが受ける集積線量は,都市部の同年齢の子どもより5倍から6倍も多い。
   

7.ペクチン含有腸内吸着剤に よる体外排出の成果
  ペクチンは消化器の中でセシウムのような陽イ オンと化学的に結合し,排便を通してセシウム137
排出量を増やすことが知られている。
「ゾステリ
  ン・ウルトラ[Zosterin-UltraR]」の商品名で知
  られる製剤は,ロシアの原子力産業で集団予
  防に用いられていた。非吸収性ペクチンであ
  るゾステリンの血液注射は,栄養摂取や新陳
  代謝その他の機能には害を及ぽざない。液状
  経口薬「ゾステリン・ウルトラ」は腸内吸着
  性および血液吸着性があり,生物学的に即効
  性の(言いかえれば治療効果のある)食品添加
  物として,ウクライナ保健省(1998年)およ
  びロシア保健省(1999年)により認可された。
 1996年,ペルラド研究所はセシウム137
  の排泄を促進するためにペクチン含有食品
  (フランスの「メデトベクドMedetopectR」」
  およびウクライナの「ヤブロペクト
  [YablopectR]」)にもとづく腸内吸着療法を開
  始した。 1999年,同研究所はヘルメス社(本
  社:ドイツ,ミュンヘン市)と共同で,「ビタ
  ヘクト
[VitapectR]」の商品名で知られるリン
  ゴペクチン含有の合成食品を開発した。ビタ
  ヘクトは粉末状で,ビタミンBi,B2,B6,Bi2,
  C,E,およびベータカロチン,葉酸を補った
  濃縮ペクチン(18〜20%)と,カリウム,亜鉛,
  鉄,カルシウムなどの微量元素,および香料
  からできている。
  

8.農作物に残留する放射性核種の濃度を下げ
  るためには‥ストロンチウム90の措抗体と
  して石灰/カルシウム肥料,セシウム137
  の措抗体としてカリウム肥料,水溶性の硬質
  リン酸塩を形成しストロンチウム90を沈殿
  させるリン酸肥料・,さらにゼオライト,水面
  下の腐植質堆積土壌(gyttja)その他,天然の
  措抗体や吸着体を用いることが有効である
 
  

9. その程度を 問わず,あらゆる生物の体細胞および生殖細胞に影響を及ぼす。 診療録の組織的隠蔽と是正不能な改
   ざん。[免疫系など]への影響。
チェルノブイリ事故に由来する死者数は
大惨事後の15年間で23万7,000人近くに達した。
  1987年から2004年にかけてのチェルノブイ
  リ事故による死者数は,前回の3国以外の
  ヨーロッパ諸国とアジア,アフリカで計46
  万2,000人近く,北米では33万1,000人近
  くにのぼったと仮定してまず間違いなく,全
  世界ではほぼ100万人に達していたことに
  なる。
チェルノブイリの犠牲者は今後,数世代に
  わたって増え続けるだろう。

10.

二次的放射能汚染

が起きている

(さらに今後も起き続ける)。

放射性核種は再循環するため,

 

[消滅や崩壊には]

予測より

ずっと長い時間

がかかっている。

 

安全とみなされるレベル

(年間1 mSv)まで

下げるためには,
 

以下を実践するとよい。
 

・菜園,牧場,干草用の草場など,

すべての農地に

無機肥料を年3回以上施肥する。
 

・地元産食材として

重要なキノコ類,ナッツ
   類,ペリ一類に含まれる

セシウム137を
効果的に減らすため

集落から半径10 km
   範囲内の森林に

カリウム[K]と

溶解性リグニン

施用する。
 

放射性核種の排泄を促進

するため,

少なくとも年4回,

天然ペクチン性

腸内吸着剤
)を支給し, 1
ヵ月のあいだ各自で規則的に摂取してもら

う。

 

幼稚園や学校に

通う子どもには

ペクチン入りジュースを

毎日飲ませるようにする。

 

牛乳,肉類,魚介類,野菜,その他の地元産食品における

放射性核種含有量を

減らす

防護対策

をとる。

 

・食肉用家畜の肥育に

腸内吸着剤

(フェロシアン化物など)

を利用する。


  疾病水準を下げ,

保養を促進するためには,
汚染地域において

以下を提供するとよい。

年に3度(子供),

年に1度(大人),

ホールボディカウンター

[人間の体内に

取り込まれ,

沈着した

放射性物質の量を

体外から測定する装置]

を用いて

1人ひとりの

体内放射性核種の

蓄積量を

実測すること

(子どもは3ヵ月ごとの実施が必要)。

・EPR線量測定

[電子スピン共鳴(EPR)線量測定]

染色体異常数の測定

などにより,

大惨事当初からの

各自の外部被曝線量を

再現すること。

 

 

13.2.ペクチン含有腸内吸着剤に
     よる体外排出の成果
  ペクチンは消化器の中でセシウムのような陽イ'
オンと化学的に結合し,排便を通してセシウムニ
排出量を増やすことが知られている。
ウクラ・
ナ放射線医学センター(Poroklinyak-Ganovs人二。
1998)とベラルーシ放射線医学内分泌学臨床研回
所(Gres)ル/.,1997)の研究開発により,チェル
ブイリ事故で
汚染された地域の住民の食物にペク
チン製剤を加えると,体内に蓄積した放射性核紆
の効果的な排泄を促すとの結論が導かれている
 1.??? 1981年,世界保健機関(WHO)と国連食糧
?
  農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会
  議は,2年間の臨床試験にもとづいて,ペク
  チン含有腸内吸着剤の日常的な使用は効果的
  かつ無害であると発表した(WHO, 1981)。
2.ウクライナとベラルーシでは,体内に蓄積
  した放射性核種の排泄を促す物質として,ペ
  クチンをベースとするさまざまな製剤が研
  究されている(Gres'どα/,,1997; Ostapenko,
  2002 ; Ukrainian Institute[ウクライナ産業医学研
  究所],1997几水生植物(アマモ属植物)から
  抽出したペクチンをベースとし,「ゾステリ
  ン・ウルトラ[Zosterin-UltraR]」の商品名で知
  られる製剤は,ロシアの原子力産業で集団予
  防に用いられていた。非吸収性ペクチンであ
  るゾステリンの血液注射は,栄養摂取や新陳
  代謝その他の機能には害を及ぽざない。液状
  経口薬「ゾステリン・ウルトラ」は腸内吸着
  性および血液吸着性があり,生物学的に即効
  性の(言いかえれば治療効果のある)食品添加
  物として,ウクライナ保健省(1998年)およ
  びロシア保健省(1999年)により認可された。
3.??? 1996年,ペルラド研究所はセシウム137
  の排泄を促進するためにペクチン含有食品
  (フランスの「メデトベクドMedetopectR」」
  およびウクライナの「ヤブロペクト
  [YablopectR]」)にもとづく腸内吸着療法を開
  始した。 1999年,同研究所はヘルメス社(本
  社:ドイツ,ミュンヘン市)と共同で,「ビタ
  ヘクト
[VitapectR]」の商品名で知られるリン
  ゴペクチン含有の合成食品を開発した。ビタ
  ヘクトは粉末状で,ビタミンBi,B2,B6,Bi2,
  C,E,およびベータカロチン,葉酸を補った
  濃縮ペクチン(18〜20%)と,カリウム,亜鉛,
  鉄,カルシウムなどの微量元素,および香料
  からできている。ペルラド研究所は,ペラル
  ーシ保健省の認可を受け,2000年からこの
  合成食品を生産している。
4.?? 2001年6月から7月にかけて,ペルラ?
  研究所は「ベラルーシの「チェルノブイリの
  子どもたち」」(本部:フランス)という団体と
?
表13.1 2001年にシルバースプリングス保養所(ベラル
    ーシ)で計615人の子どもを対象に実施された。
    ビタベクト21日間服用試験によるセシウム137
    の濃度低下(BELRAD database[ベルラド研究所デ
    ータベースD。
 
図13.1 ビタペクトの21日間服用0回5gを日に2回)
    による,子どもの体内におけるセシウム137の比
    放射能低下(Nesterenko et al。, 2004)。
 
?
共同で,シルバースプリングス保養所(ゴメ
  リ州スヅエトロゴルスク市)において,内部
  被曝が確認された615人の子どもたちに対
  し,対照用の偽薬を用いた二重盲検法による
  3週間のビタペクト投与試験を行った(1回
  5gを日に2回)。汚染されていない食物と
  ともにビタペクトを与えられた子どもだちと,
  汚染されていない食事とプラセボを与えられ
  た対照群とを比べると,セシウム137は前
  者のほうがずっと効果的に減少した(表13.1,
  図13.1)。
5.別のグループ[投与試験]では,セシウム
  137の比放射能*2の[体内蓄積量]相対的減少は,
  ビタペクトを投与されたグループで32.4士
  0.6%,プラセボを用いた対照群で14.2士
  0.5% (p〉0.001)となり,セシウム137の体内
  での実効半減期*3はペクチン投与群が平均
?
第13章 チェルノブイリ事故に由来する放射性核種の体外排出
265
表13.2 セシウム13フによる汚染かおる子どもで,ビタペクトの経口投与を受けた2群の心電図正常化成績(Ban-
   
図13.2 ゴメリ州ナロヴリヤ地区ヴェルボヴィヂ村に住む子どもたちの体内におけるセシ
    ウム137比放射能の平均値推移(体重l kgあたりのBq値トデ`一タの平均値を示す。
    破線はビタペクトの服用期間を示す(Nesterenko eta!。, 2004)。
 
?
? 27日間だったのに対し,ペクチンを与えら
  れなかった対照群は69日回たった。つまり,
  ペクチンを用いた場合の実効半減期の短縮率‘
  は約2.5倍たったことになる。この結果は,
  汚染笏れていない食物とともにペクチン含有
  のビタペクトを服用すると,汚染されてい
  ない食物のみを摂っだ場合に比べ,セシウ
  ム137の蓄積量を低減させる効果が50%高
  くなることを示している(Nesterenko et a/。,
  2004)。
6.??? 7歳から17歳までの94人の子どもを,ホ
  ールボディカウンターで測定したセシウム
  137の内部被曝線量*2によって2群に分け,
  ビタペクトを16日問(1回5gを日に2回)
  経口投与した臨床試験の結果,セシウム137
  の体内蓄積量に有意な減少が見られ,心電図
  も著しく改善した(表13.2)。
フ。2001年から2003年にかけて,「ベラルー
  シの「チェルノブイリの子どもたち」](本
  部:フランス).ミッテラン基金(本部:フラ
第4部 チェルノブイリ大惨事後の放射線防護
   ンス)。チェルノブイリの子ども基金(本部:
   ベルギー),およびベルラド研究所は共同で,
   ゴメリ件|ナロヴリヤ地区に住む1,400人の子
   ども(13村を校区とする10校の学童)を対象
   にペクチン製剤ビタペクト服用コースを年
   に5回繰り返す治療を実施した。その結果,
   ビタペクトを服用した子どもの放射能汚染は,
   1年あたり3分の1から5分の1に減少する
   ことが明らかになった。ある村の結果が図
   13.2で確認できる。
  8.ペクチン含有腸内吸着剤は,セシウム137
   だけでなく,生命維持に必要な微量元素まで
   除去するのではないかと懸念されていた。
   2003年と2004年に ドイツ連邦放射線防護
   庁(BfS)の支援を受けた「ベラルーシの重度
,') 被曝の子どもたち」プロジェクトの一環とし
   て,特別な試験が実施された。ベラルーシの
   3つの保養所(ティンバーランド,シルバー
   スプリングス,ベラルーシ女子保養所)で実
   施したこの試験で,ビタペクトの服用は子ど
?

  もたちの血液中のカリウム,亜鉛,銅,鉄の
  良好なバランスを損ねないことが証明された
  (Nesterenko et ぶ。, 2004)。
9.ドイツ,フランス,英国,アイルランドの
  NGOrチェルノブイリの子どもたち」の求
  めにより,ペルラド研究所は,これらの国々
で実施されたNGO主導の健康プログラム
  に子どもたちが渡航する前と帰国後にセシ
  ウム137の体内蓄積量を測定した。 25日間
  から35日間,汚染されていない食事だけを
  摂った子どものセシウム137蓄積量が20%
  から22%程度低下しだのに対し,これに加
  えてビタペクトによる1回の治療コースを
  受けた子どものヤシヴム137蓄積量は,そ
  れ以上の低下を見せた(表13.3,表13.4)。
10.図13.3は,ある1回の実験における放射
  能減少の度数分布を示す。ペクチンを服用し
  たグループにおける比放射能の相対的な減少
  は,平均値32.4%,中央値33.6%だったの
  に対し,プラセボを与えられたグループにお
  ける比放射能の減少はそれぞれ14.2% (平均
  値)と13.1% (中央値)にとどまった。これは,
  ペクチン服用群の実効半減期が平均27日間
  に短縮されたのに対し,プラセボ群は69日
  間たったことと合致する。
11.図13.4は,全身での残存率を表す関数モ
  デルを2種類算出したものである(成人用)。
  上の曲線は,?? /=0の時点で汚染された食物
  から汚染されていない食物に切り替えた場合
  の結果を表し,下の曲線は,?? /=0の時点で
  汚染されていない食物への切り替えに加え,
   ビタペクトの服用を始めた場合の結果を表す。
   汚染されていない食物だけの場合を生物学的
   半減期*3 100 とすると,汚染されていない食
   物と同時にビタペクトを服用した場合,半減
   期は40になり,短縮率は2.5倍であること
   が図からわかる。観察された実効半減期の平
   均短縮率(69日間から27日間に減少)が約
   2.5倍であることとよく一致している。
  12.??? 1996年から2007年にかけて,合計16万
   人を超えるベラルーシの子どもたちが,ビタ
   ヘクトの経口投与による18日間から25日
   間の治療コース(1回5gを日に2回)を受け
   た。その結果,それぞれのコース後口 セシ
   ウム137の蓄積量が平均30%から40%低下
   することがわかった。     ゛
  ペルラド研究所は,その長期にわたる経験から,
放射能に汚染された地域に住むすべての子どもた
ちが,従来からの食物の制限に加えて,経口用の
ペクチン含有食品服用コースを年に4回受ける
よう推奨する。ペルラド研究所は過去11年間に
わたり,32万7,000人を超える子どもの体内の
セシウム137蓄積量を検査してきたが,この活
?

表13.3 2004年にフランスで実施された46人の子ども
    を対象にした30日間の治療結束(BELRAD data-
    base)。
Cs-137濃度(Bq/kg)
ビタペクト群
プラセボ群
  *p<0.05.
  −ゝ 心
  試験肋
39.0土4.4
29.6±2.7
試験後
-
24.6土3.4
24.6±2.1
表13.4 ベラルーシの子どもたちを対象にしたビタペクトによる治療の結果(BELRAD database)。
Cs-137濃度(Bq/kg)
服 用 前
30.0土1.5
42.1土5.1
26.4士1.5
23.4±2.0
・p<0.01.
服 用 後
19.2±1.4*
19.6±2.5*
13.2±0.8*
11.8±0.7*
減少率(%)
6409
3354
各 群 の デ
減少率
  (%)
-
37*
17

ドイツ(試験対象43人); 2007年7月7日〜8月29日
スペイン(試験対象30人); 2007年フ月2日〜8月30日
カナダ(試験対象22人);? 2007年6月26日〜8月22日
カナダ(試験対象15人);? 2007年6月24日〜8月22日
第13章 チェルノブイリ事故に由来する放射性核種の体外排出
267
     100
?
各区分に収まる子どもの数(人)

20
40
60
80
100
          比放射能の相対的減少率
図13.3 ベラルーシの子どもたちをビタペクトで治療し
    た際に観察されたセシウムコフ比放射能の相対的
    減少率(%)の頻度分布巾ill eta/., 2007)。
0.9
0.7
残留量
0.5
0.3
0.1
      1      10     100     1,000
図13.4 レゲットらのモデル(しeggett, 2003)にもとづく
     理論上の放射能残留関数(成人用長上の曲線は汚
     染されていない食品の結果を示し,下の曲線はビ
     タペクトの使用によって[体内の器官や組織への放
     射|生核種の]吸着が効果的に阻害される様子を示し
     ている(Hil[排他2007]。
動によって,人びとのあいたに恐慌が引き起こさ
れたり放射能恐怖症*7に陥ったりするようなこと
はなく,むしろ放射線防護についての知識を普及
させるとともに 自分の健康に対する個々人の責
任感が高められた。
13.3.直接測定にもとづく
    放射線防護の新しい原則
  ベルラド研究所の長年にわたる経験から,汚染
地域で実効性のある放射線防護を行う際には,公
268
第4部 チェルノブイリ大I参事後の放射線防護
式の危険限界(体重1kgあたり15〜20 Bq)の
30%を,子ども用の介入基準値として確立しな
ければならないことがわかった。
  1.ベラルーシの重度汚染地域に住む人びとの,
   セシウム137の体内蓄積量をホールボディ
   カウンターで直接測った結果,牛乳10サン
   プルとジャガイモ10サンプルのセシウム
   137濃度をもとに作成された公式の地域被曝
   線量一覧は,個人の年間集積線量を実際の3
   分の1から8分の1にまで小さく見積もっ
   ており,放射線防護を実効性のあるものにす
   る上で拠り所にできる数値ではないことがわ
   かった。
  2.体内に蓄積された集積線量を反映するセシ
   ウム137をホールボディカウンターで直接
   測り,そのデータにもとづいて,放射能に汚
   染された人びとのために本当の地域住民被曝
   線量二覧を作成しなければならないことは明
   白だ。この一覧は,ベラルーシ国内でチェル
   ノブイリ事故により放射能汚染された全地域
   の住民から得た信頼に足る抽出検査を川いて
   作成されるべきである。
  乱 ホールボディカウンターによる測定で得ら
   れたセシウム137の体内蓄積量と,医学的
   な評価を組み合わせることによってはじめて,
   住民に見られる罹病率[凡例を参則上昇と放
   射性核種の体内蓄積量との因果関係(線量依
   存性)を知ることができる。現時点でこのよ
   うなデータが得られるのは,Iベラルーシ,ウ
   クライナ,ヨーロッパ側ロシアの,チェルノ
   ブイリ事故により汚染された地域だけである
   [2011年の束京電力拡ら第1原発事故以前におい
   て]。この情報は,放射線防護を計画したり,
   人びとを治療したり,ベラルーシにおける放
   射線被曝を最小限にするために支援が必要だ
   と国際社会を説得したり,またチェルノブイ
   リ大l参事の影響の大きさを理解したりする上
   で重要な因子となりうる。

13.4.チェルノブイリの
    子どもたちにとって国際的な
    援助が特に効果的な分野
  チェルノブイリで起きたメルトダウン[炉心溶
融]規模の大惨事による長期的影響には,世界の
どの国であれ, 1国だけで対処できるものではな
い。もっとも大きな被害を受けた国々,とりわけ
ウクライナとベラルーシは,国連その他の国際機
関からの,また民間の基金や支援団体からの援助
に対し謝意を表明している。
  毎年,何万人ものチェルノブイリの子どもたち
が,健康を改善するための治療を受けに外国へ出
かける。チェルノブイリの汚染地域では多くの
国々出身の医師たちが,史上最悪の技術的大惨事
の影響を少しでも低減しようと無償で働いている。
事故がもたらしたものは規模においてあまりにも
大きく,また多岐にわたるため,こうした支援の
効果をいっそう大きくするにはどうすべきかが常
に問われている。
  食材と,汚染地域に暮らす人びとの体内とに蓄
積した放射性核種の量をモニタリングするために
大規模かつ長期にわたるプログラムを実施した経
験にもとづき,国際的および国内的なプログラム
の効果促進に向けて以下の提言を行う。
  ・放射性核種と体内蓄積量との相関に注日しつ
   つ,さまざまな疾患の発生頻度と重症度を,
   とりわけ子どもたちに関して解明するための
   共同研究。
  ・全汚染地域の住民1人ひとり,特に子ども
   たちに対する定期的な放射能測定評価の実施。
   これを実現するには,ベラルーシ内の放射能
   測定車を現在の8台から12台,あるいは15
   台にまで増やす必要があるだろう。こうした
   定期的な放射能モニタリングの検査結果を用
   いて,放射性核種の蓄積量が多い危険な人び
   とを特定するために ウクライナやヨーロッ
   パ側ロシアでも,ベラルーシと同様の方式に
   よる独立した実践的な科学センターないし臨
  床センターを設立すべきである。
・放射能汚染された食物の摂取が避けられない
  状況下において,人びとの放射線防護(排泄
  による)のもっとも効果的な方法の1つであ
  るペクチン食品添加物をベースとしたさまざ
  まな食品や飲み物を,リンゴ,カラント(ス
  グリ),ブドウ,海草などを用いて製造し,
  投与する。
・放射能検査のためにベルラド研究所が地域セ
  ンターを組織してきた経験を活かし,放射能
  モニタリングと地元食材の放射能検査を独立
  した機関で行う。これは現行の公的なシステ
  ムを代替するものではなく,その補完となり
  うる。
・予防的な健康管理のためにペクチン含有補
  助食品による定期服用コースの実施。
13.5.結 論
  大惨事がら25年を経ても,チェルノブイリ事
故の重度汚染地域では,放射能に汚染された地元
産食物の摂取が避けられないために国際的に許
容されている個人の線量当量限度である年1 mSv
を超えてしまう実態がある。したがって,放射性
核種の蓄積量を低減する最適な方法は,汚染され
ていない食物だけを食べることだ。しかし,汚染
のない食物の人手が不可能な状況下では,[体内
に]取り込まれ,蓄積された放射性核種を可能な
限り多く取り除くために放射性核種を吸着して
体外へ排出させる食品添加物を用いるべきである。
  効果について程度は違え,多くの体外排出剤や
吸着剤[放射性核種を吸着し排泄を促進する]がある。
アルギン酸一アルギン酸塩(ほとんどは海産褐藻
類から)を用いた各種製品はストロンチウムの減
少を促し,また鉄やシアン化銅(たとえばプルシ
アンブルー)はセシウムの低減を促す。活性炭や
セルロース,さまざまなペクチン類も,蓄積され
た放射性核種の吸着に効果がある。実践的な観点
からいえば,リンゴペクチン食品添加物を含んだ
食品を治療薬のように用いると,セシウム137
?
第13章 チェルノブイリ事故に由来する放射性核種の体外排出
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     の排泄に卓効を期待できる。
  われわれに何かできるか:
  ・乳牛に吸着剤を含む混合飼料子与えることに
   より,また牛乳からクリームやバターを分離
   させる[セシウムの可溶性を利用し,生乳から水
   分を分離して廃棄する]ことにより,主要被曝
   線量源である牛乳に含まれるセシウムの濃度
   を低下させる。
  ・子どもと妊婦には,汚染されていない食材や,
   放射性核種および垂金属の排泄を促す添加物
   含有食品を与える。
  ・現状で手に入る食材や地元の生活様式を考慮
   しながら,地元産食材の放射性核種による汚
   染程度について,また住民(特に子ども)の体
   内における放射性核種の蓄積状況について人
   びとに知らせる。
  ・チェルノブイリ事故で汚染された地域に住む
   人びとのための放射線防護策の1つとして,
   放射性核種の定期的な体外排出を生活に組み
   込む。
  栄養補助食品,すなわち各種ビタミンと微量元
素を含むペクチン製剤を摂取すると,蓄積した放
射性核種の排泄にきわめて有効なことが明らかに
なった。