(2013年9月議会参考資料一部より)

改憲と戦争

 

改憲(自民拷問容認論など)と戦争

 

下る憲法改正のハードル。

 

国民の権利は義務の見返り?

 

2040年には

世界人口は

減り始める

と言われる中で

 

人命は

かけがえのない宝.....

 

戦争を必要とする米国?

 

軍需産業で儲ける !??

 

 創作された尖閣の緊張?

 

米国に操られる安倍政権!

 

はだしのゲン閲覧制限を容認とはいかなる教育的配慮?

 

見ましたか?

自民党の日本国憲法改正草案を

2012年4月27日に発表しました。

 

?2012年12月の総選挙で自民党が政権与党に復帰し、しかも与党が衆議院の
3分の2以上の議席を占有したために、にわかに憲法改正論議が急拡大することになりま
した。

 

自民党が提示した

憲法改正草案は、

驚くべき内容を

含んでい
ます。

日本の国のかたちを

根底から書き換える

インパクトを

持つ提案だと言って

過言でない

 

 

?すべての主権者が

 

自民党憲法改正草案に

 

目を通す必要があります。

 

?? この憲法改正草案の主要論点を「1+3」で整理しています。「I」は根本原理の
問題、すなわち

立憲主義の否定

です。

「3」は

人権抑制

国権強化

戦争体制確立

です。

 

?自民党草案の根本原理の問題点は、

 

主権者が憲法によって国家権力を抑制する

 

との
立憲主義の大原則

棄て去られている

と判断できることです。?

 

国民の自由と権利を守る

ために、

国家権力を

憲法の制約下に

置いて

国家権力を縛るのが

憲法の役割だ

とするのが

「立憲主義」

の考え方です。

 

?ところが、

自民党憲法改正草案

では、

これが逆立ち

しているのです。

つまり、

国家権力が

国民を支配する

基本法として

憲法が

定められている。

 

この点を鮮明に示しているのが、

自民党草案の

 

102条です。


第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。

 

これに対応する

 

現行憲法の規定

 

以下の第99条です。

第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法
    を尊重し擁護する義務を負ぶ。

自民党改正草案と現行憲法の相違は2つあります。ひとつは、自民党改正草案が国民に 
  −−−−憲法尊重義務を課していること。もうひとつは、現行憲法が、天皇又は摂政に、憲法尊重  
擁護義務を課しているのに対して、自民党草案は、憲法擁護義務の対象から、天皇又は摂
政を除外していることです。
  これと関連しているのが、自民党草案の第1条です。

 

第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地
    位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
  天皇の位置付けが

 

「象徴」

から

 

「元首」

 

に格上げされています。
 

この変化を踏まえるときに、

想起されるのが、

大日本帝国憲法上諭に

見られる

「臣民ハ
此ノ憲法二対シ

永遠二

従順ノ義務ヲ

負フヘシ」

の記述です。

 

やはり、自民党草案は

日本を
大日本帝国憲法下の

日本に

近付けることを

意図しているようにしか

見えないのです。

 


  メディアは

国民の憲法改正に

対するアレルギー反応を

招かないように、

2つの点だけを
強調しています。

 

ひとつは、憲法改正発議要件を

緩和する

96条が

最大の争点である

という
点。

もうひとつは、

憲法の内容の

改正については、

憲法第9条を

現実に適合するように

修正することが

検討されていると

する点です。



  憲法9条は

軍隊の保持を

禁止していますが、

自衛隊は紛れもない軍隊です。

この点に

着目して、

憲法の条文を

現実に即した形に

変更することは

容認できると

考える人は

多いかも
知れません。

そこで、

まずは96条を改正して、

そののちに9条を

現実的な条文に

変えることが

検討されているという

筋書きにしてしまうのです。

 

これなら、容認できる

という国民
が多数になる

空気を

作れるかもしれない

からです。
 

もうひとつ、

どうしても触れて

おかなければならないことがあります。

いわゆる

 

「押しつけ憲法論」

 

についてです。

 

国際法上の問題点として、

 

パーク陸戦条約附属議定書43条、


ならびにポツダム宣言第12項との

 

関連で、

 

日本国憲法は

 

「日本国の自由に表明せる意思に
従って」

 

制定されたものでなく、

 

GHQの強力な指導のもとで

 

決められたから

無効である
との論議があります。

 

細かい点には立ち入りませんが、

歴史の事実を詳細に調べれば、

この批判は成立しない

と言ってよいと思います。

 

とりわけ、

1946年4月10日に

初めての
普通選挙による

 

衆議院総選挙が行われ、

 

この民主的な選挙で選出された議会で

「憲法改正案」

が審議され、

 

1946年11月3日に

公布されたという事実は

重要です。

 

この点は

銘記しておく

必要があります。
  また、日本の対米従属方針を

批判し、

米国批判を提示する人々が

 

日本国憲法の改正に

反対するのは

おかしいとの

意見を聞くこともあります。

 

「GHQが主導的な役割を果たした

日本国憲法制定であるのに、

対米従属批判派が

この憲法を守ろうとするのは

おかしい」と  

 

この批判も

 

歴史的事実の

重要点を

見落としたもの

と言わ
ざるを得ません。

 


  GHQの対日占領政策の

基本方針が

1947年に

転換したという事実は

極めて重要です。

 

いわゆる「逆コース」と呼ばれる

 

占領政策の

 

大転換が生じたのです。
 

「逆コース」前と「逆コース」後で、

 

GHQの対日占領政策は

 

劇的に転換しました。

 

一言で言えば、

「民主化」から

「非民主化」 への転換です。

 

日本国憲法は

「逆コース」前のGHQによる

日本民主化政策の中から

生まれたものなのですが、

 

この基本方針と

 

1947年
以降の

GHQの

対日占領政策の基本が

かみ合わなくなったという現実が

存在するのです。


  1947年以降、

現在まで

基本的に

同じ流れが続いています。

 

しかし、

1947年以降
の米国の

対日政策の基本と、

日本国憲法との

間には

大きなずれが

存在し続けています。

 

1947年以降の

米国の基本政策は

 

「反共」であり、

 

これに伴って

対日占領政策の基本が


「民主化」から

 

「反共化」=「非民主化」に

 

転換したと言えるでしょう。

 

そのため、戦後
民主主義を信奉し、

現在の

対米従属路線を

批判する人が

日本国憲法を

 

大切に扱い、

 

その一方で、

 

1947年以降の

 

米国の政策方針を

信奉し、

対米従属のスタンスを

 

支持する人が

日本国憲法に対して

 

一種の敵意を持つのは

 

順当なことだと言えるのです。


基本的人権の抑制
 

続いて自民党憲法改正草案の内容面での特徴について検討します。

 

自民党草案の

具体的問題、

 

その1

人権抑圧、人権制限

の性格が

鮮明に打ち出されていることです。


  その象徴として、

3つの事柄を

指摘することができます。

 

第1は、現行憲法97条の記述


が削除されたこと、

 

第2は、

表現の自由に著しい制限

が設けられること、

そして第3に
は、

「公共の福祉」

「公益及び公の秩序」

に置き換えられ、

基本的人権

への圧迫が

著しく強められる

と推察されること、

です。


  1番目の点から見てみましょう。

現行憲法の97条は

「最高法規」

の第10章に置かれた条文のひとつで、

日本国憲法が

基本的人権の尊重に

最重要の意味を

持たせたことを

示すものです。


第九十七条 

この憲法が

日本国民に

保障する

基本的人権

は、

人類の

多年にわたる

自由獲得の

努力の成果

であって、

これらの権利は、

過去幾多の

試錬に堪へ、

現在及び将来

   の国民に対し、

侵すことのできない

永久の権利として

信託されたもの

である。


現行憲法には

これと関連する条文が

11条にもあります。


第十一条

 国民は、

すべての基本的人権の

享有を

妨げられない。

 

この憲法が

国民に

保障する

基本的人権は、

侵すことのできない

永久の権利として、

現在及び将来の国民に
    与へられる。
 

現行憲法97条には、

他の条文には見られない

文学的表現が記されています。

これに対して、

自民党改正草案は、

最高法規の章

章ごと削除して

います。

 

最高法規性の

条文は

残されましたが、

 

基本的人権の歴史的な位置づけを表記した条文が削除されています
 

最高法規の章に置かれた

現行憲法97条は、

基本的人権を保障すること

こそ、

この憲法の
核心である、

との主張を

示したものである

といってよいでしょう。

 

フランス革命を

はじめとする

市民革命を

出発点として

獲得されてきた

基本的人権は、

その後の

専制支配、

軍国主義、

ファシズム

などの脅威によって

脅かされてきました。

日本でも、

明治の

 

自由民権運動
や、

大正デモクラシーなどの

活動が

繰り広げられましたが、

 

戦前の

治安維持法の下では、


人権が

著しく

侵害される

不幸な時代が

ありました。
 

現行憲法は、

こうした過去の歴史の

経緯を踏まえて、

人権獲得のための

人類の長い期間


にわたる戦いを

評価するとともに、

基本的人権を

「侵すことのできない

永久の権利」として、

 

「現在及び将来の

国民に

与へられる」

と宣言している

わけです。

 


  条文の

表現を

見ると、

第11条との

重複も

見られるわけですが、

あえて

最高法規の章で

基本的人権の

意味を

明文化したことによって、

国家権力が

人権を侵すこと

のないように、

永久の権利として

保障する、

強い決意を

示したと

言えるでしょう。


この

自民党草案です。

 

最高法規の章

削除し

97条の条文

消滅させた

のは、

基本的人権を、

将来にわたり

侵すことのできない

永久の権利として

位置づける

日本国憲法の

精神を

大幅に

後退させた

ものであると

言える

のではない

でしょうか。
 

第2にあげたのが、

自民党草案の

人権抑圧姿勢

を象徴する

21条改正条文です。
 

 

現行憲法21条と

 

自民党草案21条を

並べてみましょう。
 

 

(現行憲法)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。


  (自民党草案)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
   

2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動
     行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。
この自民党草案は明らかに大日本帝国憲法第29条を意識したものだと思います。
第二十九条 日本臣民ハ法律ノ範囲内二於テ言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス
悪名高い、死刑を定めたあの治安維持法は、この条文に基づいて定められたものです。
第一条 国体ヲ変革スルコトヲ目的トシテ結社ヲ組織シタル者又ハ結社ノ役員其ノ他指導
    者タル任務二従事シタル者ハ死刑又ハ無期若八七年以上ノ懲役若ハ禁鋼二処シ情ヲ
    知リテ結社二加入シタル者又ハ結社ノ目的遂行ノ為ニスル行為ヲ為シタル者八三年
    以上ノ有期懲役二処ス
  自民党草案が施行されれば憲法規定に基づいて、言論を統制する法律が制定され、政治
活動か厳しく弾圧される可能性が高まると考えられます。まさに、戦前への回帰以外の何
物でもありません。
国民の権利は義務の「見返り」?
  人権抑圧に関する第3の問題は、「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に置き換えら
れ、基本的人権への圧迫が強められることです。
  (現行憲法)
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これ
    を保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、
    常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ぶ。
222
  (自民党草案)
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持さ  223
」|
いIニ‘IL
れなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及  224
び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。
  ここでも「公益及び公の秩序」を根拠とした基本的人権に対する制限が明記されていま
す。その解釈と運用によっては、さまざまな基本的人権が憲法を根拠に抑圧されることに
なるでしょう。
  自民党草案のQ&Aでは、「公共の福祉」の言葉がわかりにくく、意味が曖昧であるこ
とから、「公益及び公の秩序」の言葉に置き換えた旨を記しています。しかし、この「公
の秩序」という言葉が拡大解釈されるなら、基本的人権が国家の権力によって強く制限さ
れることになりかねません。
  立憲主義の原理に立つ現行憲法では、憲法が国民を統制する、あるいは縛る条文が基本
的にないのですが、自民党草案では、「国家権力が国民に対し権利や自由を付与する」
が、「それはあくまでも、国民に課す義務の見返りである」とのスタンスが色濃いので
す。つまり国家が国民の上に立ち、国民を縛る取り決めとして憲法を定めるという逆立ち
した精神構造が、はっきりと姿を現しているのです。
  しかも公共の福祉という、言ってみれば他人の迷惑にならないということを基本にする
考え方を変質させ、公の利益あるいは公の秩序のためには基本的人権を制限し得る、とり
わけ政治的自由については、権力が人権に制限をかけることを正当化する規定が置かれて
いるわけです。これは大変危険なことだと思います。
国権の強化
  自民党の憲法改正草案の具体的内容面の3つの論点、すなわち、人権抑制・国権強化・
戦争体制確立のうち、第2のポイントである「国権の強化」について考えていきます。
  これまで述べてきたように、そもそも憲法は、人権を守るために、国家及び国家権力の
暴走を防ぐという大切な役割を担うものです。ところが自民党改正草案では、この位置関
係が逆転します。国家・国家権力が国民に制約を課す側面が強く打ち出されています。
  国民主権と言いながら、その根本原則に反すると受け取られかねない規定が、随所に出
てくるのです。ここでも3つの問題を提示しておきたいと思います。
  第1は、すでに触れた、天皇の憲法上の位置づけの変更です。付け加えるべき点は、天
皇の国事行為について、現行憲法が「内閣の助言と承認」を求めているのに対し、自民党  225
tl
草案では内閣の助言と承認の表現が削除されています。天皇を中心とする国家体制構築の  226
考え方が、色濃く打ち出されているのです。
  第2に、自民党改正草案が「緊急事態」の章を設けたことです。この章は、98条、99条
の2つの条文によって構成されています。
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩
    序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態におい
    て、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、
    緊急事態の宣言を発することができる。
  内閣総理大臣が緊急事態を宣言すると、内閣に全権が付与されることになり、同時に、
基本的人権の制限が容認されることになります。
第九十九条 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法
    律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上
    必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることが
できる。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、
  当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措
  置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
  内閣総理大臣は「内乱等による社会秩序の混乱」の場合にも緊急事態を宣言できること
とされています。そして、内閣総理大臣が緊急事態を宣言すれば、国会の審議を経ずに法
律と同一の効力を有する政令を制定することができることになります。これは事実上の独
裁体制の容認です。
  問題は、「内乱等による社会秩序の混乱」を拡大解釈すると、政府に対する大規模な批
判行動が生じたときにも、内閣総理大臣が緊急事態を宣言して、これを封殺することがで
きることになってしまうという点です。とても恐ろしいことです。
  さて、第3の問題は、次節で考察する国防軍の創設に関わる18条の条文改正です。
  (現行憲法)
第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
227
  (自民党草案)
第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において
    身体を拘束されない。
「法の下の平等」に関する自民党草案の第14条では「政治的、経済的又は社会的関係にお
いて、差別されない」という言葉が用いられているのですが、18条には[政治的]という
言葉がありません。つまり、「政治的」理由では身体が拘束されることがあるとも受け取
れます。

また、「奴隷的拘束を受けない」の表現から「奴隷的」の部分が削除されたた
め、将来の徴兵制採用が視野に入っているとの疑いが生まれています。
国防軍の創設
  そして、憲法9条が全面的に書き換えられます。以下の条文は、すべて自民党草案のも
のです。
228
229
<li
アベノリスク 第6の罪
改変される憲法
  (平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動とし
    ての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段と
    しては用いない。
    2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
  (国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣
    を最高指揮官とする国防軍を保持する。
    5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機
     密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防
     軍に審判所を置く。
  (領土等の保全等)
第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全
    し、その資源を確保しなければならない。
まさに日本が日本でなくなるのです。
  現行憲法では、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争
を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定されていますが、改正草案で
は、「国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては用いない」としつつ、第2項において、「前項の規定は、自衛権の
発動を妨げるものではない」と明記されています。つまり、「自衛のための戦争」を肯定
する表記がとられているのです。
  同時に、自民党草案が表記する自衛権の中に、集団的自衛権の概念が含まれると説明さ
れています。この結果、自民党草案の下では、日本は米国が主導する戦争に加担すること
が定められることになります。
また、すでに触れたように、18条の規定を活用して徴兵制
が検討されるのではないかとの懸念
も生まれています。
  9条の2では、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する、との規定が設けら
れ、現在の自衛隊が国防軍という軍隊に改変されることになります。そしてこの国防軍
は、第3項で「法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際
的に協調して行われる活動を維持する」と規定されています。国防軍の海外派兵が明確に
肯定されることになるわけです。戦争を放棄し、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持
しない。国の交戦権は、これを認めない」としてきた日本国憲法の核が捨て去られること
になります。
 第9条の制約から解放される日本は、再び軍国主義国家、軍備拡張路線を進むリスクを
背負う
ことになります。安倍さんのウルトラ右翼体質と完全にマッチした自民党草案だと
言えるでしょう。
  すでに説明したように、7月参院選の結果、改憲勢力が参院でも3分の2の議席を確保
すると、まず、96条が改変され、その次に、衆参過半数の発議でいまの自民党草案に近い
改正案が各条文ごとに上程される可能性が高まります。そして、国民投票によって、投票
総数の過半数の賛成
があれば、憲法は根本から書き換えられてしまうことになります。
  これは、もはや空想の話ではなくなっています。私たち主権者は、この現実の意味を完
全に理解しておく必要があります。そして、その動きにブレーキをかける必要かおるのだ
と判断するならば、そのための行動を全力で取らなければなりません


戦争を必要とする米国
 安倍政権が誕生して以降、日本が再び戦争への道を歩むのではないかと強く心配されて
います。前章で見たとおり、自民党の憲法改正草案は、
自衛権を明記し、自衛隊を国防軍
という名の日本軍に改変
することを提案するものです。米国の戦争に日本が自動的に巻き
込まれる集団的自衛権を認める方向に舵が切られます。また、
草案の18条が「いかなる奴
隷的拘束も受けない」との表現を削除したため、徴兵制が導入されるとの憶測
も生まれて
います。
?
2010年以降、尖閣諸島をめぐる中国との対立が激化してきました。北朝鮮では、金
正恩体制が、旧来にも増して好戦的な姿勢を強めています。韓国との間でも、竹島をめぐ
る対立が激化しました。
  多くの専門家が、中国の脅威を叫び、日本の軍備強化を主張しています。自民党草案の
9条には、新たに、「国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領
空を保全し、その資源を確保しなければならない」という条文が書き加えられました。
234
  米国は2003年に、イラクに対して戦争を仕掛けました。国連を中心とする国際社会
が慎重な対応を要請するなかで、米国は、イラクが大量破壊兵器を保有していると宣言し
て、戦争行為に突入したのです。
  この米国に真っ先に追随したのが、日本の小泉純一郎さんでした。ところが、イラクに
は大量破壊兵器が存在していなかったことが後に判明しました。結果的に見て、米国が侵
略戦争を行ったと言わざるを得ない現実が明らかになりました。
  日本は米国を支持し、自衛隊をイラクに派遣したのですが、結果的に米国が引き起こし
た侵略戦争に加担することになりました。日本国憲法は、世界にも類を見ない、戦争と軍
隊保有を放棄する条文を持つ稀有の存在です。日本国憲法こそ、世界遺産の名に2  さわし
い価値を持つものであると言ってもよいかもしれません。
  国を守るためには軍備が必要だという主張にも、当然のことながら一理あります。永世
中立を宣言するスイスは徴兵制を敷き、国を守る軍備を持ち、平和を維持する道を選択し
ています。
  しかし、国を守るために軍備拡大を際限なく続けていくことは、逆に戦争を引き起こす
リスク至局めることも忘れてはなりません。核の保有は国際的な条約で制限されています
が、これらの制約を外し、すべての国が核武装に走れば、いずれ核戦争が発生するリスク  
は、際限なく高まってしまいます。