<綱は上意>(端唄・小唄・うたざわ)
♪ 入にける
綱は上意を 蒙りて 羅生門にぞ 着きにけり
折りしも 雨風激しき 後ろより 兜のしころを 引っ掴み
引き戻さんと エイ と引く 綱も聞こえし つわものにて
彼の曲者に 諸手をかけ
よしゃれ 放しゃれ しころが切れる しころ切れるは
いといはせぬが たった今 結った鬢の毛が 損じるは
もつれるは 七つ過ぎには 行かねばならぬ そこへ行かんすりゃ
コチャ 気にかかる 誰じゃ 鬼じゃないもの私(わし)じゃもの
兜もしころも らっちもいらねえ サーサ 持ってけ しょってけ
<解説>
地歌のおどけ物に ”綱”という物があり 端唄風に作り直した。
源 頼光の四天王の1人に”渡辺の綱”という人がいて 京の東寺の
羅生門で鬼神の片腕を斬り取った事で天下に名を知らしめた話。
初めは 物々しい義太夫調で 途中からガラリと三下りに転調してから
軽妙さを見せる趣向になっている
蒙る : 受ける
しころ : 兜の後ろに垂れ手首を覆うもの
つわもの : 兵士・勇士
七つ : 午後4時過ぎ
らちもない : だらしない
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